地元の人々の暮らしのなかで
大事にされるお店に

2016年も押し迫る12月10日、石巻の目抜き通りに新しいライフスタイルショップがオープンします。香川県高松市からこのプロジェクトにプロデューサーとして関わる水谷さんにお話をうかがいました。

水谷さんは香川県高松市丸亀に「まちのシューレ963」を立ち上げて運営。街づくりの手腕を買われ他県のプロジェクトなどにも関わっており、震災後に縁あって石巻の今回のプロジェクトに携わるようになりました。

 

石巻に関わるきっかけ

震災後の2012年にNHKの被災地での街づくりに関する番組にゲストとして出演したのがきっかけです。その後石巻でまちづくりに関わる方々が「まちのシューレ963」へ視察に来られて、地域の素材を掘り起こして編集するような業態を石巻でもやりたいということで、関わるようになりました。

 

はじめての石巻の印象

学生時代に観光で仙台を訪れた限りで実はまったく土地勘のない石巻ではあったのですが宮城県周辺のクラフト作家さんや職人さんとは商品の取引があり、東北に良い素材がいっぱいあるというのはわかっていました。石巻は特に「食」に関してはすごいなと思っていて、震災後は一次生産者（加工）の方々が取引先に頼ることなく自らのブランドで直接、消費者へ届けたいという熱い思いが印象的でした。

オープンまでの約4年の道のり

この４年間は、ほぼ毎月高松から石巻に通いました。街づくりというのは、どこもそうなのですが行政と地元の商店街の方々との調整をしながら進行しなければならないので確かに難しい部分はあります。石巻の場合はある意味マイナスからのスタートなので行政も震災対応でなかなか手がまわらないし民間の方もやる気はあるけどもどうして良いかわからないという状態でした。

ただ、そのとき私は今は“底”なのだからこの先は少しずつではあるけれど良くなっていくだろうというイメージしかありませんでしたし、石巻に残って商売を続けようという地元の方は腹のくくり方が違うなと感じましたし、その熱気に私も心を動かされました。

 

 

 

オープンする「石巻ASATTE」について

今回オープンするお店は大きく3つのフロアに分かれていて、「カフェ」「食品」「東北の作家ものと生活雑貨」を売る複合型のライフスタイルショップになります。

カフェでは朝食から提供いたします。街中には意外と朝に食べられるところが無いのと、特にシニア層の方たちからは、モーニングセットを食べたいという声もありましたので。もちろんランチや夜も営業しますので、このカフェがお店の中心となりお客様が食事やお茶をしたついでにクラフト作家の器や生活まわりの必要なものを買えるようなお店になればと思っています。

食品に関しては石巻の食品会社が合同でおこした「石巻うまいもの株式会社」がテナントとして入ります。震災前であれば同業者でまとまるなんて考えられませんでした。

 

 

お店と街の未来について

まずは地元の人に大事にされるようなお店になって欲しいですね。また、観光としても遊びに来られるような場所にもなると嬉しいです。県内からであれば日帰り圏内ですし、これからは北上川沿いに遊歩道が整備されたり生鮮マーケット建設の計画があったりするのでこれらのスポットに加えて「石巻ASATTE」も目的のひとつになればいいなと思っています。

これまでの経験で街というのは急に変わることはないけども、そこに住む人々が変わろうとしていれば長い時間はかかるけれども大きく良い方へ変わっていく可能性があると期待しています。

 

水谷未起さんプロフィール

一般社団法人 讃岐ライフスタイル研究所　専務理事
大手デベロッパーにて開発運営を担当後、香川県高松市へ移住。高松丸亀町商店街の再開発事業に関わる「一般社団法人讃岐ライフスタイル研究所」立ち上げ。現在「まちのシューレ963」の店舗運営をはじめ、他県での再開発事業にも携わっている。
まちのシューレ963　http://www.schule.jp/

 

石巻ASATTE

宮城県石巻市立町2-5-5
TEL／0225-25-7905
E-Mail／asatte.ishinomaki@gmail.com
HP／http://asumachi.com
営業時間／物販 10:00～18:00　レストラン 7:00～23:00（ラストオーダー22:00）
定休日／火曜日　※年内は12月31日のみ休
駐車場有り